少子高齢化問題とお金の話

◆少子高齢化がもたらす影響

日本で急速に進んでいる少子高齢化問題は、最終的にはお金に行き着きます。その経過として人手不足であったりあるいは後継者不足であったりと、人の問題として徐々に現れ始めています。この問題について国では日本人による対応よりも、外国から日本に来てもらうことで労働力を確保しようと動いている状況です。

労働力不足は少しずつ日本の国力を落としていきます。昔であればたとえばコンビニエンスストアも24時間365日開けておくことが出来たものが日本人での対応が厳しくなりました。

そのため外国人に労働力を置き換え、さらに人工知能などで対応をする流れが出来上がりつつあります。結局、人手不足は賃金の上昇に耐えられないことから発生し、他のよりよい条件のところで働くようになるものです。

さらに問題になりつつあるのが社会保障です。医療も介護も年金も高齢者を支えるために、現役世代により多く負担を求めるように変更されてきています。   引用元「畑恵さんの経歴

年金の現役世代が支払う保険料は上昇を続けており、負担もより大きくなっている状況です。保険料だけではなく、1人が受け取る受給額も今後は伸び悩むと推測されています。大多数の高齢者を少ない若い人達で支えるという賦課方式が、そろそろ厳しくなっている証左です。

医療でも同じことが言え、医療にかかる人は若い人よりは高齢者の方が圧倒的に多いです。若い人達が稼いできたお金のうち健康保険料として支払う金額は多くなります。

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◆介護サービスでの人手不足対策

40才以上になると介護保険料の負担が発生し、給料から天引きされる社会保障費は非常に多額です。給料が多い人はそれほど気にならないかもしれませんが、今まで景気が悪く給料が伸び悩んできた人にとっては手取りが減少する大きな要因となっています。

介護保険では保険料以外でも問題になっていて、圧倒的に多い高齢者の介護を誰が担うのかが問題です。若い人はより条件のいいところに就労をしようとしますので、介護のように厳しい労働条件のところに就職を目指す人が限られます。

結果、介護が必要なのにその介護サービスを提供する人が年々不足していく状況です。外国人の受け入れにより解消を図るのも難しく、国においては特別養護老人ホームへの入居要件を厳しくしたり、また収入が多い人の自己負担を1割から2割などに挙げる施策を採り始めています。

一方の少子化問題ですが、人口ボリュームが大きかった団塊の世代の子供たちいわゆる団塊ジュニアの人たちは、しようと就職をしようというときにバブル崩壊でなかなか正社員になれなかった人が大勢います。

日本における就職風土は新卒主義であり、いったん新卒あるいは3年以内の第2新卒にはじかれてしまうとその後の正社員への道が厳しくなってしまいます。

この団塊の世代ジュニアたちは正社員になれずに、非正規であったりあるいは期間限定社員などのように雇用が不安定な立場に甘んじるしかありませんでした。彼らは仕事の不安定さとボーナスの支給がないなどの収入の低さから結婚をあきらめざるを得ず、結婚をしない以上、子供も生まれてこないという少子化に繋がっていきます。

◆少子化と高齢化は原因は同じ

高齢者を支えるべき若い人達が収入が安定しない仕事で、しかも社会保障費の支払いが厳しいわけですので高齢者の人たちが受けられるサービスなども徐々に厳しさを増していかざるを得ません。医療費の支払いで入院などにより高額になった場合の高額療養費制度も、その負担の上限を引き上げるなどによる制度改正が進められているわけです。

若い人達の数そのものが増えない以上、経済も停滞し活力を失っていきます。物を買わないあるいは買えない人達や、そもそも日々食べていくだけで精一杯の人も大勢いる状況です。

しかしながら一方で高齢者の数は年々増え続けていきますので、彼らを支えるためにあるいは制度を維持するために、少しずつ様々な制度を改正していくしかない状況に陥っています。

この状況を打破することは容易ではないです。景気が冷え込んでいた時期にしっかりと先を見据えて、少子化対策を行っていればよかったのですが残念ながら団塊の世代のジュニアに対して何らかの対応がされることはありませんでした。そのツケが今、色々なところに現れて顕在化してきているわけです。

少子化問題ではさらに保育の問題も浮上しています。両親がともに働きに出なければとても食べていけない状況のところが少なくありません。子供が幼いにしても働かざるを得ないわけです。保育園に預けて就労しようとしても、肝心の保育園が一杯でなかなか預けられないという問題も顕著となっています。

このように少子化対策と高齢者問題は対象と問題こそ違いますが、根っこの原因は同じです。人口減少による問題も絡んで経済の停滞と社会から活気が失われていく状況に陥っています。社会保障についてもよくこの問題を把握し、その上で制度を良く理解の上で各自が出来ることを行うことが求められています。